夜の天神。
賑わう通りを一本曲がると、空気が少しだけ柔らかくなる。
「ここ、前から気になってたんです」
そう言って、扉をそっと開けた人は少なくない。
ひとりで、静かに飲みたくなる夜がある。
【カウンターの時間】
誰にも邪魔されず、気取らず、でも、ちゃんとしたものが食べたい。
大晴海のカウンターは、そういう人のためにある。
目の前に並ぶのは、刺身の盛り合わせ、湯気の立つおでん鍋。
奥では板前が出汁巻きを巻いている。火の音が、心地いい。
メニューを開かなくても、ふっと「何か、おすすめありますか?」と聞いてみる。
その距離感も、なんだかちょうどいい。
【一人飲みの順番】
まずは、ハイボールを一杯。
刺身を少し──厚めに切られた身が、心まで満たしてくれる。
おでんを一品、二品。
大根、たまご。沁みた出汁が、体の奥にゆっくりと染みていく。
そこから、酒に移る人もいる。
日本酒、焼酎、あるいはもう一杯だけのレモンサワー。
誰にも話しかけられないけれど、
誰かがそっと見守ってくれているような安心感が、ここにはある。
【店と客の間にある“余白”】
一人で飲むというのは、贅沢な時間だ。
静けさを選び、自分を整える夜。
大晴海は、それを支える店でありたいと思っている。
話しすぎない。干渉しすぎない。
でも、ふと顔を上げたときに「次、何にしましょうか?」と自然に声がかかる。
そんな、ちょうどいい距離感の店が、天神にもある。
【まとめ──静けさを楽しむ場所として】
にぎやかさから少し離れた場所で、
しっかりとうまい魚と、出汁の香るおでんをつまみに、ひとりで酒を飲む。
それだけのことが、妙に贅沢に思える日がある。
「また来ます」
そう言って、カウンターの席が静かに空いた。
次にそこに座るのは、どんな一人飲みの夜を抱えた人だろうか。
天神 大晴海(たいせいかい)
魚とおでんを、ゆっくりと楽しめる居酒屋。
一人飲み・昼飲み・しっかり食事にも。